個人事業主の所得税や住民税、事業税の仕組み
個人で事業を行う場合にかかってくる税金には、
所得税と住民税、事業税があります。
いずれの税金も1月1日~12月31日を計算期間として、
その期間の所得(もうけ)について税金がかかります。
各税金の種類とその計算方法などの確定申告
所得税の確定申告
所得税の計算方法
計算式
所得税の対象となる所得(もうけ)は、
(事業の収入 - 事業の経費 - 所得控除) × 税率で計算します。
事業の収入
事業の収入金額は、現金をもらった金額だけを収入と考えがちですが、
年末までに現金をもらっていなくても、「商品を渡していれば、収入」になりますので要注意です。
チェックポイント
収入は、代金が未回収でも、請求をしていなくても、商品の販売であれば、物を納品した時点で収入となり、サービスの場合は、相手にサービスを提供し終わった時が収入となります。
例:12月15日に商品を販売、代金を翌年2月15日にもらった時は、商品を売った年の収入になります。
事業の経費
事業の経費とは、
収入を得るために直接必要な売上原価や従業員さんへの給料、事務所の家賃などの費用をいいます。
チェックポイント
①生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与は、
以下の場合以外は原則として経費になりません。
※一定の届出を出した場合に認められる青色事業専従者給与。
※白色申告の事業専従者控除(税法で定めるの一定の金額)。
②所得税や住民税などの税金を払っても経費になりません。
所得控除
所得控除とは医療費の支払いが多かった場合や、
扶養家族が多い人などの各人の事情を考慮して、
税金を軽減してもらうという制度です。
所得控除には次のようなものがあります。
医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除
所得税の税率
平成24年4月1日現在法令等
1月1日~12月31日の間の所得(もうけ)の金額を下記の区分に当てはめて、所得税を計算します。
195万円以下 税率 5% 控除額 0円
195万円を超え 330万円以下 税率 10% 控除額 97,500円
330万円を超え 695万円以下 税率 20% 控除額 427,500円
695万円を超え 900万円以下 税率 23% 控除額 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 税率 33% 控除額 1,536,000円
1,800万円超 税率 40% 控除額 2,796,000円
申告期限
所得税は、自分で確定申告書を作成して、税務署に提出する必要があります。
税務署に申告書が到達した日が提出日となります。
所得税の確定申告書の申告期限は毎年3月15日とされていますが、
その日が土曜日又は日曜日に当たるときは、その翌日が期限となります。
納付
確定申告の所得税の納付期限は、3月15日までとなります。
確定申告の税金が一定額以上の場合には、確定申告の時の税金の3分1の金額を、7月31日まで、11月30日までに納めることになっています。
住民税の確定申告
住民税の計算式は、所得税の計算式とほぼ同じ仕組みです。(厳密に言えば細かい点で異なりますが、ここでは税金の大枠を理解していただくため省略します。)
つまり上記の所得税がかかるもうけに、一律10%が住民税の額となります。
申告と納付
所得税の確定申告をした場合は事業税の申告を改めて行う必要はありません。納付書が送られてきますので、年2回に分けて住民税を納めます。
事業税の確定申告
個人事業税とは、その市や区で法定業種の事業を行っている個人の方を対象とする税金です。個人事業税の計算式は、事業所得に一定の金額を加味して税率をかけます税率は、事業の内容によって異なり、5%~3%となります。
申告と納付
所得税の確定申告をした場合は住民税の申告を改めて行う必要はありません。お住まいの区役所などから納付書が送られてきますので、年4回に分けて住民税を納めます。
その他に、人を雇ったり、外注さんを雇うと源泉所得税を支払う必要があり、
一定の書類を作ると印紙税がかかってきます。
(源泉税と印紙税は、会社も個人事業主も同じ考え方なので、同様のページにまとめてあります。)
また、一定の資産について
償却資産税の申告や、年末調整といった税金の手続きが必要となります。
最終更新日時 平成26年1月3日
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