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建設業・建築業で粗利率はどのくらいが平均?経営改善ポイント

建設業や建築業の経営分析・経営改善のお仕事を

させていただくことが多いのですが、

多くの経営者の方の相談として、


【 1 売上は伸びているが、利益が残らない。 】

【 2 売上はあるが、お金が残っていない。 】


ということがあります。


共通項は、売上は上がっているということです。


つまり、売上【量】は上がっていますが、

利益【質】に課題があるということです。

そのため、経営改善次第では、黒字化は可能です。

建設業・建築業の粗利率(売上総利益率)の平均は、概ね20%です。


匠税理士事務所では、お客様と一緒になって、

下記のような経営改善に取り組みますので、

弊所の建設業のお客様の粗利率は平均30%~40%になっております。

打合せ.pngのサムネイル画像


黒字・赤字の8割は、粗利率で決まります。

そもそも、粗利(売上総利益)とは何でしょう?


売上から仕入や外注費などの原価を除いた利益が、これが粗利(売上総利益)です。


売上高 - 売上原価 = 粗利(売上総利益)

そして、売上に占める粗利(売上総利益)割合、これが粗利率(売上総利益率)= 完成工事高総利益率です。


粗利から会社維持の固定費(給与・家賃)を除いて

最終的には利益が残れば【 黒字 】、粗利が固定費に足りなければ【 赤字 】というわけです。

このように経営は非常にシンプルです。


固定費である人件費や家賃は社長の意思決定で、

人員を削減したり、オフィス縮小などで、

減少させることは可能ですので、粗利の最大化が

会社経営のポイントになります。


会社.png

粗利(売上総利益)の大きい会社は、人が多くて

多少無駄な経費があっても黒字になります。


逆に粗利が少なければ、どんなに経費削減、

コストダウンをしても赤字体質になりがちです。


このようなことから事業経営の8割は、

粗利(売上総利益)で決まります。


売上総利益・粗利のイメージ(解説用).jpg

では粗利率(売上総利益率)・完成工事高総利益率の改善は、何故難しいのでしょうか?


それは、売上高-売上原価=粗利(売上総利益)なので

【粗利最大化】=【売上最大化】と【仕入・外注費等の原価最小化】が必要になるからです。

1 売上最大化 = 得意先と売価交渉 が必要


2 原価最小化 = 仕入・外注先と交渉 が必要


というように社長の意思だけでなく、相手先と交渉が必要なため粗利率(売上総利益率)の改善は難しいのです。

それでは、建設業・建築業の会社の場合の粗利率の平均はどれくらいで、

どれ位を目標にすればよいのでしょう?


建設業・建築業の粗利率(売上総利益率)の平均はどれくらい?改善方法は?

建設業・建築業の粗利率(売上総利益率)の平均は、概ね20%です。


そのため、現在20%の会社はこれに安心せずに、

25%から30%を目指していないといけません。


何故なら材料費・人件費は下がることはなく、 長期的には上昇していくからです。

それでは、粗利率(売上総利益率)の改善には

どのようにすればよいのでしょうか?


【 1 売上高の最大化 】
≪ 方法1 販路の強化 ≫
→得意先数を増やし、工事単価を見直す

得意先と価格交渉をするということは、

無事に【 交渉成立 】又は【 交渉決裂 】

の大きく2つの結果になります。


前者であれば良いのですが、交渉の場合には下手をすると今後の取引にも支障が出てきます。


そこで得意先数を20%程の利益率でも良いので会社経営が安定する規模まで増やしておき、

万が一の場合にも動揺しない状態が必要です。


ある程度得意先数がそろったら、

一気に価格交渉をするのではなく、


一社一社全体のバランスを見て進めていくという流れとなります。

これは忙しすぎて工事が請けられないという状況をイメージしていただくと

忙しい時期には、安い工事は請けません 

ということになるのではないでしょうか?


計算.png
≪ 方法2 取り扱い商品構成の変更 ≫

現在、技術のみ提供し組み立てのみの場合は、

ここに材料を自社で仕入をして、組み立てまで行うというイメージだと分かりやすいかもしれません。


技術のみ提供し組み立てのみの場合の粗利に

材料の仕入まで行うことで、材料の小売り分の粗利も確保するという発想です。


ある会社からまとめて材料を一括して仕入れると

確かに手間や時間はかかりませんが、

安く仕入れて、高く売るチャンスを逃してます。


材料を仕入れる際に、インターネットで単価を調べて仕入先に交渉してから、

できる限り安く仕入れをすることでも原価率は下がります。この一手間が粗利の確保につながります。



≪ 方法3 手数料ビジネスの余地はないか検討 ≫

発注主のニーズの中で、提携先を使うことで解決できそうな工事がある場合、

業者さんを紹介することで紹介手数料などを頂く

というビジネスがないか検討しましょう。


手数料ビジネスは金額的には僅かでも、 【 粗利率100% 】なわけですので効果大です。

『 現場でお客様の声に耳を傾け、自分の知り合いでお客様の問題を解決できそうである。 』


この発想が手数料ビジネスの原理原則です。

現場のお客様の声から今一度考えてみましょう!


利益戦略.png 【 仕入・外注費の原価の最小化 】

≪ 仕入先と外注先の強化 ≫

→仕入先と外注先数を増やし、単価を見直す


これは得意先の価格交渉と同じく、

無事交渉がまとまることもあれば、


交渉決裂もありえるため、質・単価同じ水準の

仕入先と外注先を何社か確保したうえで、

より条件が良い仕入先と外注先にシフトしていくという考えです。


これも得意先同様にある程度数がそろったら、

一気に交渉をするのではなく、

一社一社全体のバランスを見て進める流れとなります。


売上も仕入・外注費などの原価も、利益率を高めるには、【 選ぶ 】という作業が重要で、

【 より良い条件を選ぶこと 】=【 利益率の改善 】ともいえます。

そのためには、より多くの条件の中から選べる状況を生み出せるか、

この努力を繰り返すことが、条件の改善→利益率の改善につながるのです。

売上総利益・粗利のイメージ(解説用).jpg

赤字会社の立て直しや黒字会社の更なる黒字化には

次の【 4つが経営のポイント 】になります。


1 会社維持費(固定費・・人件費・家賃)の削減

2 仕入先・外注先の条件の見直しをかけることで、
 原価率の改善 → 粗利率の改善

3 1と2の実行後、客数増化の販売促進
( 1と2で出た利益を販促へ投資 )

4 得意先が増えたら、条件のよいところにシフトし
 粗利率の更なる改善

この1から4の流れをポイントを抑えて実行することで

ほとんどの会社は黒字化出来ます。


社長の仕事.png

匠税理士事務所では、建設業を中心に経営コンサルティングに力を入れており、

弊所の建設業のお客様の粗利率は平均30%~40%になっております。


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それでは黒字化成功後の次の課題は何でしょう?


利益が出て、お金が残る会社が理想です


売価・原価の見直しを通じて粗利を最大化し、

利益が出るようにするのと同時に、お金がたまる会社づくりが重要です。

【 黒字で利益がでる=お金がたまる 】 だから問題ないじゃないか と考えがちですが、

お金がたまる会社づくりにはポイントがあります。


◇以前にまとめたこちらの記事も確認下さい。


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執筆者・文責:税理士 水野智史

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