収入や経費、青色申告特別控除など経理や決算、確定申告のポイントや注意点
匠税理士事務所のホームぺ―ジをご覧いただきありがとうございます。
目黒区や世田谷区、品川区で個人事業主の方の法人化などの税務コンサルティングや、
会計アウトソーシング、確定申告の代行を行う会計事務所です。
今回は、個人事業のお客さまが経理や決算を行うときによくいただく質問の一部をまとめました。
個人事業の確定申告の利益・所得はどうやって計算するのか
個人事業主の確定申告で税金を計算するときの軸になるのは、
事業所得(つまり事業での利益)です。
この事業所得の計算方法は、以下のような算式にになります。
Ⅰ 事業での収入
Ⅱ 事業での経費
Ⅲ 青色申告特別控除額
(会計ソフトなどを利用している方は原則65万円控除・簡単な帳簿の方は10万円控除)
Ⅳ Ⅰ - Ⅱ - Ⅲ =事業所得
ここで重要なのは、
Ⅰ 事業での収入 と Ⅱ 事業での経費 の計算です。
それでは、これらはどのように計算するのでしょうか。
事業での収入金額の計算方法、注意点やポイントは
事業所得の確定申告を行うときに収入を今年受け取った金額で申告をしてしまいがちです。
しかし、現金主義の特例という制度以外の方は、
受け取った金額だけが確定申告上の収入というわけではありません。
これは会社員などの給与所得と異なる点です。
事業では年末までに物の引き渡しが完了していれば、代金を受け取っていなくても収入となります。
つまり、得意先に納品が完了した時点で得意先へ代金をもらう債権(売掛金)が生じているので、
この時点で収入を税務上は認識すべきであるということなのです。
したがって年末までにお金を受けとっていなくても
納品が完了していれば、「収入」になり
実際にお金を受け取ったか否か、請求したか否かは関係がありません。
逆に、代金を受け取っていても物の引き渡しが完了していなければ収入となりません。
そのため確定申告では以下のことに気をつけましょう。
★売上の帳簿は、決算で商品の引き渡しをしたけれども、代金を受け取っていない売上も帳簿に記載しましょう。
このとき、相手の勘定科目は売掛金ですね。
※イメージでは、現金で回収している売上に、この売掛金をプラスするイメージです。
また、物を引き渡していないが代金を受け取った、いわゆる前金のときも帳簿に記載しましょう。
このときは、物の引き渡しが行われたときに売上となりますので勘定科目は前受金となります。
★自分の会社の商品をプライベートで使った時
たとえば八百屋さんが、商品を持ち帰って夕飯に使用したときなど
自分の会社の商品をプライベートに使った時は、
通常の売価で販売したものとして売上の帳簿にプラスをします。
通常の販売価格にかえて、仕入金額(仕入金額が通常の販売価格の70%より低ければ、通常の販売価格の70%)で計算することも可能です。
個人事業主の方の収入は、この論点を知らずに申告してしまい税務調査で修正が入ることが非常に多いです。
上記の点をマスターして、収入の申告漏れをしないように気をつけましょう。
なお、個人であれば、みなさんもご存じのとおり
1月1日から12月31日までの収入を確定申告で申告します。
このとき、申告の対処となる収入については、
1月1日から12月31日までの間に納品が完了したものが対象となります。
事業での必要経費の計算方法、注意点やポイントは
【 1 必要経費の内容 】
必要経費は大きく分けて以下の2つに分けられます。
(1) 売上原価項目
総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
→ これには材料の仕入代金や外注費がこれにあたります。
◇関連記事(原価は、棚卸が必要です。)
(2) 販売費及び一般管理費項目
その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
→ これには人件費や家賃など売上原価以外の項目が該当します。
【 2 経費化の時期 】
必要経費となる金額はその年で債務の確定した金額(一部債務確定によらない減価償却費などの費用もあります。)です。
つまり、その年に支払った場合でも、債務の確定していないものはその年の必要経費になりませんし、
逆に支払っていない場合でも、債務が確定しているものはその年の必要経費になります。
この場合の「その年において債務が確定している」とは、次の三つの要件のすべてに当てはまる場合をいいます。
(1) その年の12月31日までに債務が成立していること。(契約の成立というイメージ)
(2) その年の12月31日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) その年の12月31日までに金額が合理的に算定できること。
つまりは、契約に基づいた仕事内容と金額が明確になっており、
これに基づく納品や作業完了がされていることということです。
【 3 経費の注意点 】
(1) 個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費)となるもの
(例)交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費
この家事関連費のうち必要経費になるのは、次の金額です。
イ 主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、業務に必要である部分を明らかに区分することができる場合のその区分できる金額
ロ 青色申告者で、取引の記録などに基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分することができる場合のその区分できる金額
(2) 必要経費になるものとならないものの例イ 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費になりません。
逆に、受取った人も所得としては考えません。
これは、土地や家屋に限らずその他の資産を借りた場合も同様です。
ただし、例えば子が生計を一にする父から業務のために借りた土地・建物に生じた固定資産税等の費用は、子が営む業務の必要経費になります。
ロ 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与は除きます。)は必要経費になりません。
(注) 青色申告者でない人についての事業専従者控除は、必要経費になります。
ハ 業務用資産の購入のための借入金など、業務のための借入金の利息は必要経費になります。
このように個人事業主の方の確定申告では、どういったものが経費になるかならないかという判断をされる際に
上記のような経費の大原則をおさえておくことがとても重要です。
青色申告特別控除と帳簿の要件やポイント
上記で収入と経費を計算したら、青色申告特別控除が決まれば事業所得の計算が出来ます。
青色申告特別控除は、帳簿の精度(複式簿記か簡易簿記か)で、
65万円控除か10万円控除かが分かれます。
Ⅰ収入 - Ⅱ経費 ≦ 青色申告特別控除であれば、
事業所得がないことになり事業に関する税額がなくなるわけですから、
この青色申告特別控除MAX65万円はとても重要です。
そこで帳簿作成のポイントについて記載を致します。
通常、帳簿は、複式簿記という方法での記帳します。
売上を例にしてみると
原則として
①取引の年月日
②売上先相手方の名称
③金額
④売上の内容
を帳簿に記載します。
しかし、実務上では例えば飲食店など不特定多数に商品を販売する場合には
②売上先相手方の名称を記載することは不可能です。
このような実務上の都合に合わせるため記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく
日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。
それでは、簡易的な方法での記帳とはどのようなものなのでしょうか。
通常売上は
①取引の年月日 ②売上先 ③金額 ④売上の内容を記載します。
ただし、簡易な方法での記帳では下記を満たす帳簿であれば良いことになります。
(1) 少額な現金売上→日々の合計金額のみを一括記載
(2) 小売業→日々の合計金額のみを一括記載
(3) 請求書などから内容を確認できる取引→日々の合計金額のみを一括記載
(4) 掛売上で請求書から内容を確認できるもの→現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載(年末に売掛金を記載)
(5) 棚卸資産の家事消費等→年末に、種類別に合計金額を見積もって合計金額のみ一括記載
この省略できる項目をうまく利用して事務作業の負担を減らしながらも、
青色申告特別控除に挑戦されてもよろしいではないでしょうか。
匠税理士事務所の法人化や個人事業の確定申告など
匠税理士事務所では、個人事業の確定申告や経理の代行から節税提案、
法人化などのコンサルティングを行っております。
もちろん、青色申告特別控除にも対応しておりますので、
経理や確定申告のアウトソーシングをご検討中の方は、お気軽にご相談下さい。
匠税理士事務所の所属税理士やスタッフの詳細につきましては、
こちらからご確認をお願いします。
【 → 目黒区の税理士は匠税理士事務所 】
個人事業を株式会社や合同会社にする法人化や法人成りについてはこちらからご確認をお願い致します。
【 → 個人事業を会社にする法人化のメリットやデメリットとは 】確定申告や法人化など個人事業主の方以外への会社設立や創業融資など起業支援サービスや、
会社経営の方に向けた経営コンサルティングサービスの詳細につきましては、
こちらからTOPページへ移動の上で、ご確認をお願いします。
【 → 世田谷区の税理士は匠税理士事務所 】