ボーナス・賞与の支払時期と決算で経費・損金にするポイント
経営者にとってもボーナスはとても重要です。
なぜなら、経営者は利益を確保し、
【 社員一丸で稼いだ利益を、社員に還元するという利益配分感覚が求められるからです。】
この感覚を持ち合わせていないと、 人材不足の時代には社員の流出につながり、 これはお客様満足度の低下から顧客流出、 売上低下という悪循環につながります。業績のいい会社は、利益率と配分割合が高いため
社員の定着率がよく、結果として好調な業績が
長期的に続いている傾向があります。
逆に稼いだ利益を配分しないと、
半年間など短期手には問題ないのですが、
中長期的には社員の退職率が上がり、
業績が悪化するということが出てきます。
税務的にも決算ボーナス・賞与は上手に活用
今期業績が好調な会社は、上記のような理由から、
ボーナス・賞与を検討すべきでしょう。
特に黒字の会社の実効税率は約30%程ですので、
1,000,000円のボーナスを支給しても、
約300,000円は節税できます。
結果として実質は700,000円の負担になります。
赤字の会社は、節税という視点はありませんから、
1,000,000円が負担となってきます。
このようなことからも黒字企業ではボーナスを
税務的に節税対策でも支給されることが多いです。
しかし、このボーナスの損金算入時期を
的確に理解しないと税金にも影響を与えます。
そこで今回はボーナスを支払った場合の
損金算入時期について記載します。
ボーナス・賞与の損金算入時期に関する規定
法人が使用人に対して支給する賞与の額は、
次に掲げる賞与の区分に応じ、
それぞれ次の事業年度の損金の額に算入します。
なお、使用人に対して支給する賞与額は、
使用人兼務役員に対し支給の賞与のうち使用人の
職務に対応する部分の金額が含まれます。
(1)労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が到来している賞与(使用人にその支給額が通知されているもので、
かつ、支給予定日又はその通知した日の属する
事業年度に、損金経理したものに限る。)
支給予定日又はその通知をした日のいずれか
遅い日の属する事業年度
(2)次に掲げる要件のすべてを満たす賞与使用人に支給額の通知をした日の属する事業年度
イ 支給額を各人別にかつ、同時期に支給を受ける
すべての使用人に対して通知をしていること。
(注1) 法人が支給日に在職する使用人のみに
賞与支給する場合の支給額通知は、
ここでいう「通知」には該当しません。
(注2) 法人が、使用人に対する賞与支給につき、
パートタイマー又は臨時雇い等で雇用している者
(雇用関係が継続的なものであって、他の使用人と
同様に賞与支給の対象としている者を除く。)と
その他の使用人を区分している場合には、
その区分ごとに支給額の通知を行ったかどうかを
判定することができます。
ロ イの通知した金額を通知した全ての使用人に
通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から
1か月以内に支払っていること。
ハ その支給額につきイの通知をした日の属する
事業年度において損金経理をしていること。
(3)上記(1)及び(2)に掲げる賞与以外の賞与その支払をした日の属する事業年度
(根拠規定: 法令72の3、法基通9-2-43~44)
上記をしっかりと理解していないと、
予想税額より大きい事態になりかねませんので、
特にボーナスの支給時期と決算期が近い
12月決算法人は注意が必要です。
また、税務調査で余計なトラブルにならないよう
決算日までボーナス・賞与支払いを完了しましょう。
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執筆者・文責 税理士 水野智史
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