新規得意先としていい会社の見抜き方・調べ方
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今回は起業支援や経営支援の中で、経営者の方から頂くご相談である
【 新規得意先としていい会社の見抜き方 】 についてまとめてみました。
企業の経営者の方を悩ます事項の一つとして、得意先への貸倒があります。
貸倒とは、貸したお金が返ってこないということもありますが、多くは売上代金の回収不能です。100円のものを150円で売って本来50円の利益が出るはずが、代金が回収できなければ、
100円の商品をあげたのと同じということになってしまいます。
このような事態を避けるためにも、得意先として新たに契約をする場合に、新規得意先としていい会社かを
見抜くことは極めて重要なことです。そこで決算書を活用したその調べ方をまとめてみました。
トラブルに対応できる企業か、いい会社かは決算書から確認できる
貸倒がおこるのは、相手の会社に払う意思がないか 又は 会社にお金がないかです。
払う意思がない場合には、法律を活用したアプローチで回収は可能ですが、お金がない場合には、
中々難しいのが現状です。つまり相手先の資金状況を決算書で見抜ければリスクは大きく下がるわけです。
借入金の返済や突然の大きな支出などに耐えることが出来る安全な企業かどうかを確認するには、
その企業がすぐに動かせるキャッシュをどれだけ持っているのかを調べる必要があります。
すぐに動かせる現預金が多ければ、突然の支出や借入金の返済に対応することができるので、
その企業は安全性が高いといえます。
現在手元にあるお金でどれだけの安全性が見込めるのかを考えるために、
月の売上高に対してどれだけ現預金を持っているのかを比較する方法があります。
【 会社の安全性の具体的な計算方法 】
現預金と月の売上(平均月商)の割合は以下の方法で計算します。
手元にある現預金での安全性の求め方=現預金÷平均月商(売上高÷12)【例】:
①現預金50,000円、年間売上高600,000円の場合
→50,000÷(600,000÷12)=1
②現預金200,000円、年間売上高600,000円の場合
→200,000÷(600,000÷12)=4
上記の場合、①の企業は月商の1か月分、②の企業は月商の4か月分の現預金があるということになり
企業の安全性は②の方が高くなります。
会社の場合、現預金以外にも売掛金など比較的すぐに現金化できる資産があることが多いので、
現預金が1か月分だからといってすぐに問題が出るということではありませんが
安全性の判断の目安として、大体2か月分程度となります。
負債と比較した安全性を調べる方法
安全性を考えるうえで、平均月商と比較する方法の他に負債と比較する方法があります。
この方法では現預金が負債や借入金と比較してどれだけ有るのかを確認します。
例えば、借入金を超える額の現預金を持っている会社があるとします。
この会社は借入金を現金で返済したとしてもまだ残るため、
いつでも借入金の全額を返済できる状態にあることから実質無借金となり、
安全度は高い会社と判断できます。
間近な危機を決算書から予測する
会社の安全性を把握するために、流動資産(大体1年以内に現金化する資産)及び当座資産と流動負債(大体1年以内に支払いが求められる資産)を比べる方法があります。
【 流動比率の計算方法 】
流動比率=流動資産÷流動負債
流動比率が1以上であれば、流動資産が流動負債を超えることになり、比較的安全性の高い企業となります。
【 当座資産とは 】
流動資産のうち、より換金性が高い資産をいいます。
流動資産が1年以内に換金可能な資産に対し、現金預金・売掛金・有価証券などより短期間で換金できるものとなり、
以下の算式で求めます。
当座資産=現金預金+売上債権(受取手形・売掛金)+有価証券(上場有価証券)
【 当座比率の計算方法 】
当座比率=当座資産÷流動負債
当座比率が1以上であれば、当座資産が流動負債を超えることとなり安全性に問題がない企業といえます。
負債の償還年数から安全性を判断する
借入金などの有利子負債の支払能力が会社の将来を左右します。
そこで有利子負債の多少を確認したうえで、有利子負債償還年数を用いて検討していきます。
有利子負債償還年数を確認することで、負債の金額が年間の本業である事業で稼いだお金と比較し、
何年で返せる負債なのかを確認することができます。
1年間で稼ぐお金の金額が、1年以内に返済を求められる有利子負債の金額を下回る場合、
借入金を返済するためにまた借入をする必要がでてくる可能性があるため注意が必要です。
【 有利子負債償還年数の求め方 】
有利子負債償還年数=有利子負債(※)÷営業キャッシュ・フロー
※有利子負債=借入金+社債+リース債務
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どの方法がいい会社か調べるのによい方法なのか
上記で新規得意先としていい会社か否かを見抜く方法や調べ方を幾つか記載しましたが、
どの方法にも長所や短所があります。
できるだけリスクを下げたいという方は上記の全ての方法で検証するが良いでしょうし、
確認という程度で検証したいという場合には、
上記の中でキャッシュフロー計算書を用いない方法が簡単に行えると思います。
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