最終利益だけで大丈夫?PLの見方・読み方は要注意
これから新しく取引をする会社の与信調査として、
相手の会社の決算書や試算表を預かったが、
貸借対照表・BS(Balance Sheet)で相手の会社の現預金が沢山あるのもわかったし、
損益計算書・PL(Profit and Loss statement)の当期純利益をみて相手の会社が黒字なのも分かった。
それでは新たに取引を開始しましょう。
という決算書・試算表の見方や読み方は危険です。
このような読み方・見方では危険な点がいくつかかありますが、
今回はこのうち、PL(Profit and Loss statement)の特別利益・特別損益の項目についてまとめました。
損益計算書・PLにある特別利益、特別損失とは
損益計算書・PLにある特別利益、特別損失とは、滅多に生じない臨時の損益のことです。
例えば、保有する土地や建物を売却して利益を獲得したとき、
その利益は特別利益に計上します。
また、地震などの自然災害によって工場や建物に損失が生じたときは、
特別損失に計上されることになります。
東日本大震災では多くの会社が震災に見舞われましたが、この震災によって生じた損失は特別損失に計上していました。
特別利益、特別損益は経営者の意図で生まれることがあります。
利益がよくないときに、土地や有価証券を売却して特別利益を計上し、
利益を確保しようとします。
逆に当期の利益がいいときや、合法的に大きな節税対策をしたいというときに、
過去に購入した不動産などの含み損を処理して特別損失に計上することがあります。
例:土地を以前に1億円で購入したため、決算書では1億円と掲載されていたが、
実際に第三者に売却してみると5,000万円にしかならず、5,000万円の損失が発生するなど
このように損益計算書・PLにある特別利益、特別損失は、本来の事業とは関係のない損益で、 比較的金額が大きくなるものが多くあります。会社の理解をするためには、どうして特別利益、特別損失が生じたかを見ることが重要です。
こちらを正しく見ることで、この会社の経営の意図や経営状態を正しく把握することが可能となるのです。
貸借対照表・BS(Balance Sheet)やPL(Profit and Loss statement)は重要
貸借対照表・BS(Balance Sheet)やPL(Profit and Loss statement)など決算書や試算表を
正しく読めることはとても重要なことです。
新規の得意先の与信調査でも有効ですし、自社の経営の強みと弱みを正しく知ることができます。
BSやPLなど会社の決算書や財務諸表の読み方や見方などにつきましては、
こちらの記事にまとめておりますのでお気軽にご確認をお願いします。
【 → BSやPLなど会社の決算書や財務諸表の読み方や見方 】
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