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合同会社・LLCとは?会社設立のメリットと設立・起業サポート K16

合同会社とは平成17年に制定された会社法により、合同会社制度が創設されました。


出資者である社員の全員が出資額を限度とした有限責任制であり、
かつ組合的規律が適用される特徴を有する新しい会社類型です。


創設当初は認知度が低く、株式会社の方が信用度が高いとされ、
それほど活用されていませんでしたが、
近年、その使い勝手の良さのメリットが認識されその設立件数が顕著に増加しています。


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株式会社か合同会社か、それとも他の組織で会社設立か迷ったら


【 株式会社との比較 】

合同会社の社員と株式会社の株主は、
どちらも有限責任であり、その数に特に制限はありません。

また、株主が取締役となり業務執行を行うのと、
合同会社の社員が業務執行社員となり業務を執行するのは実質は同じです。


しかし、株式会社については、誰でも容易に株主になることができ、
または取引をすることができるように、その利害関係者(株主)の利益を法律によって手厚く保護するため各種規制が多数置かれています。

一方合同会社は、会社の利害関係者の利益を保護する法規制は最低限で、
定款自治によって当事者間で最適な利害状況を自由に設定することが可能になります。
結果、円滑に事業の実施を図ることができるようになります。

代表例が、利益や権限の配分割合を出資額とは関係なく設定することができるというところです。

株式会社では出資割合=権限の割合ですが、合同会社(LLC)ではこれを自由に設定できます。



【 合名会社・合資会社との比較 】

近年、知的財産が重要視され、専門的知識やノウハウを持った少数の個性ある出資者が集まり、
自ら経営に参加し定款自治によって柔軟な会社運営を行っているというニーズが高まっています。


原則として、全員一致で定款の変更・その他会社のあり方が決定され、
社員自らが会社の業務執行にあたるという規律が、合同会社、合名会社、合資会社において適用されます。


しかし、合名会社や合資会社の場合、出資社の全員または一部が無限責任を負ってしまうことで、
実際にはあまり活用されていませんでした。


会社法ではこのようなニーズを踏まえ、出資者の有限責任が確保され、
かつ、内部関係について組合的規律が適用される新たな会社類型である合同会社が設立されました。



【 有限責任事業組合(LLP)との比較 】

出資者の有限責任と定款自治による会社運営という点では、
合同会社と有限責任事業組合(以下LLP)は同じです。


相違するのは、法人格の有無、税務上の取り扱い
(合同会社・LLCは法人課税ですが、LLPは法人格がないため事業から生じる損益をその構成員である各組合員に帰属させ所得に課税されます)


合同会社は1人社員が認められるのに対してLLPは複数の組合員が必要である点
合同会社は一部の社員を業務執行社員に定めることができるのに対して、
LLPは全員がなんらかの形で業務の執行に携わる必要がある点、などです。


合同会社にするのか有限責任事業組合にするのかは、適切に判断することが重要です。
合同会社は法人格を有するので、将来株式公開を想定する事業、永続的な事業、安定定期収益が見込める事業が向いています。

一方LLPは、個人や企業の信用を全面に出す事業、
期限を区切ったプロジェクト、ハイリスク・ハイリターンが想定される事業に向いています。


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合同会社・LLCでの会社設立のメリット活用例


【メリット活用例 その1】

株式会社の場合、株主平等原則に基づき、出資割合に応じて利益を分配するのが原則ですが、
合同会社については、利益の分配を出資者間で自由に取り決めることができます。


優れた技術を開発したベンチャー企業が事業化するにあたり多額の資金が必要となったとき、
大企業との間で合同会社を共同出資により設立することがあります。


ベンチャー企業の技術(知的財産)を評価して、
出資割合の少ないベンチャー企業に対して出資割合に応じないで、


より多くの利益分配されるよう両社が定款に定めて柔軟にとり決めることができるのです。


【メリット活用例 その2】

大企業の子会社や外資系企業の日本子会社などで、
親会社の意向や方針により運営され、かつ上場による資金調達の必要がないときに、


合同会社を設立するケースが増えつつあります。
設立にコストがかからず、意思決定のスピードが高まり、

組織運営が柔軟に行われることが認識されてきました。


【メリット活用例 その3】

ファイナンス関連で合同会社が多く活用されています。
その一番の理由は合同会社には会社更生法の適用がない点です。


資金の貸手は貸付に際して担保設定を行いますが、会社更生法の適用があると、
担保権は更生担保権になり回収が困難となるので、資金提供を躊躇されることが想定されます。

また、大規模な資金調達により負債総額が200億円以上になった場合、
株式会社であれば会社法上の大会社になり、会計監査法人の設置等によう多額のコストが発生してしまいますが、
合同会社(LLC)であればその懸念はありません。

【メリット活用例 その4】

小企業においても合同会社が活用されつつあります。
株式会社の場合、少数派株主が株式総会で取締役から排除されると、
会社の経営から締め出されることになります。
いわゆるスクィーズアウトです。


しかし、合同会社では原則として、
社員全員が業務を執行する権限をもつので、スクィーズアウトが生じにくいのです。


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