キャッシュフロー計算書と資金繰り表の作成目的の違い
匠税理士事務所は、利益戦略とキャッシュストック経営のお手伝いに専門特化した会計事務所です。
【 儲かっているはず、利益が出ているはずなのに、会社にお金がない 】
このようなご相談を多くいただくことがあります。
そこで、儲かって、お金が残る会社作りに必要なキャッシュフロー(CF)についてまとめました。
資金繰り表を作っているから、キャッシュフロー計算書はいらないのでは
このようにお考えの方もいらっしゃると思いますので
両者の作成目的の違いについても記載致します。
キャッシュフロー計算書と資金繰り表の違い
★キャッシュフロー(Cash Flow)計算書
現金の流れをキャッシュフロー(cash flow)といいます。
どのような理由でいくらのお金が入ってきて、
どのような理由でいくらのお金が出ていったのかを表し
お金の流れを明らかにして、資金繰りをよくし、会社にお金が残るようにすることができます。
儲かっているのに、お金がないは、
まさに「 どのような理由でいくらのお金が出ていったのか 」お金の流れの悪い部分を見つける
キャッシュフロー計算書の守備範囲となります。
★資金繰り表
一方、資金繰り表は、目先数カ月の入金と支払いの予定表です。
一定期間先の将来にわたって、会社の資金が不足しないか検証し、
資金の先を読むための資料となります。
★両者の関係
キャッシュフロー(Cash Flow)計算書で、お金の入り<お金の支払いとなれば当然いつかは資金が不足します。
資金繰り表では、例えば向こう半年間の入金と支払いの予定表をつくるわけですが
上記「 いつかは資金が不足します 」が具体的にいつ不足するのかが分かります。
またキャッシュフロー計算書は、現状のお金の状態ですから
例えば大型案件の受注など将来については守備範囲から外れ
この将来は資金繰り表がまさに守備範囲となるわけです。
このようにキャッシュフロー計算書と資金繰り表は、お互いに補完し合うような関係にあり、
それぞれ作成することで、かなりの効果が企業にもたらされます。
◇関連記事
キャッシュフロー計算書の見方と活用方法
【 儲かっているはず、利益が出ているはずなのに、お金が会社にない 】
という会社様は、利益の視点に加えて
お金の流れを重視するという視点を加えるとよいと思います。
キャッシュフロー計算書の目的が、お金の流れを理解し、
何故お金が増減したのかを把握することを主たる目的としていますから
お金を増やす経営のためには知っておきたい知識となります。
★キャッシュフロー計算書の見方
キャッシュフローは、以下の3つの分けます。
それぞれ、どの区分に原因があり、お金が増減したのかを把握することが重要になります。
① 営業活動によるキャッシュフロー
商品やサービスを販売することにより得られた現金の動きを示した部分です。
こちらは本業によりどれだけお金が増減したかを示しますので、きわめて重要な部分です。
したがって、最も重視すべき区分となります。
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こちらについては過去に関連記事にまとめたものをご確認ください。
② 投資活動によるキャッシュフロー
投資活動のお金の流れを示し、
土地や建物、その他の資産の売買により生じたお金の動きを示した部分となります。
投資活動ですので、余剰資金か借入かが資金の源泉となるわけですが
投資した資金をいつまでに回収できるか・いつ換金化するかという考えを持つことが大切です。
特に注意が必要なのは、有価証券など時価が変動しやすい投資資産
土地や会員権など換金化しにくいものは、本業でお金がしっかり稼げていないと非常に危険です。
社員全員の努力の結晶ともいえる努力結果の"儲かったお金"の使い道ですので、投資は慎重に行いたいものです。
③ 財務活動によるキャッシュフロー
通常の会社様であれば、金融機関などからの融資の借り入れや返済によるお金の流れを示した部分となります。
企業が成長するためには、借り入れによる資金調達が時には必要となります。
と同時にこの資金は、返済が必要になるわけです。
大型案件の受注のための資金調達であれば、一時的にショートする資金の確保のため、不足時期を過ぎ、使用しないでおけばお金の流れは悪くなりません。
問題となるのは、借り入れをしたお金で上記投資活動を行って新規事業がうまくいかなかったケース
赤字補填資金として借り入れをしたケース
借りたお金が人件費や経費で消えてしまう、実質赤字補填資金となってしまったケース
これらの場合には、返済である財務活動によるキャッシュフローが後々重くのしかかります。
お金がある優良企業のキャッシュフローはどうなる?
優良企業は ①営業キャッシュフローがプラスです。
とにもかくにも、これが大前提です。
大切なのは、本業で現金を稼ぐ力を表す①営業キャッシュフローが、必ずプラスでなければならないということです。
ここがマイナスでは、次第に会社のお金が減少していくことになりますので、お金の流れを変える対策が必要になってきます。
( 関連記事:営業キャッシュフローを確保し、フリーキャッシュフローを生み出す! )
設備投資がない会社様は、基本的に資金繰り表のみで経営可能です。
それは上記営業活動のキャッシュフローの改善しか方法がないため、まずは本業で頑張ることが第一のため
キャッシュフロー計算書は一年に一度チェックすれば充分でしょう。
キャッシュフロー計算書による経営が必要となるのは、過去の借入金の返済がある会社様に向いています。
具体的には、設備投資資金が多く必要となる事業
大型の機械装置を入れる必要がある製造業のお客様や、大型バスや大型トラックなど運送業など初期投資が大きい会社様です。
必然的に、先に借り入れをおこし、資金の返済が後々必要となるためキャッシュフロー計算書を意識した経営が必要となります。
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