仕入債務回転率と仕入債務回転期間
会社の財務状態の安全性を分析する上で、
・売掛金などの売上債権
・在庫などの棚卸資産
・買掛金などの仕入債務に関する項目が大きく分けてあります。
今回はこの買掛金などの仕入債務に関する項目を中心とした
仕入債務回転率と、仕入債務回転期間の計算方法を取りあげます。
仕入債務回転率の計算方法や計算式
仕入債務回転率とは、
買掛金などの仕入債務と、商品の仕入高との関係を見る指標であり、
仕入債務には、通常買掛金と支払手形が主なものとしてあげられます。
これらを用いた分析指標である仕入債務回転率を
算式に表現すると、以下のようになります。
仕入債務回転率 = 売上原価 ÷ 仕入債務
この仕入債務回転率が高くなると、
商品の仕入に伴う買掛金や支払手形などの仕入債務に対して
現預金などの支払期間が短くなっていることを意味します。
このような場合には、商品などの仕入先から何かしらの理由で
決済条件の短縮化や現金決済を要求されていたり、
これらの条件が悪い仕入先との商取引が開始されたことなどから
資金繰りが悪化していることが考えられます。
仕入債務回転期間の計算方法や計算式
仕入債務回転期間とは、仕入債務回転率の逆数で求められる安全性分析の指標の一つです。
この仕入債務回転期間は、次の算式で表現することができます。
仕入債務回転期間(日) = 仕入債務 ÷ 売上原価 × 365
(今回はイメージしやすくするため、日数の算式を掲載しております。)
仕入債務回転率と仕入債務回転期間などの財務分析のポイント
仕入債務回転率と仕入債務回転期間にあたっては、1年間のみの仕入債務などで計算すると
経営判断を誤る恐れがあることから過去2~3年の分析を行うことが重要です。
これにより全体としての傾向を抑えることができ、適切な改善策を講じることが可能になります。
◇商品の仕入債務以外の企業の経営分析に関する情報は、こちらからご確認下さい。
決算書の見方や各種ポイントについて記載しております。
→ 貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)など会社の財務諸表の読み方や見方
・売上債権の回収状況に関する安全性分析については、こちらからご確認下さい。
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