法人設立届出など会社設立後に税務署に提出する書類や手続き<K4>
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会社設立後には、どんな届出書を税務署などの官公庁へ最低限出す必要があるのでしょうか。このようなご質問をセミナーの際に、起業家の方から頂くことがあります。
そこで今回は、会社を設立した場合に税務署などへ
【 1 必ず出しておいた方がよい届出書 】 【 2 該当する場合、検討した方がよい届出書 】についてまとめました。
税務上の届出書において最重要なのは、【 提出期限 】です。
起業した際に、申告期限ぎりぎりまで税理士をつけない方もいらっしゃいますが、そのような方の一番のリスクは、提出漏れです。
【税務申告期限】と【届出の提出期限】は、異なるものが多いので、注意が必要です。
この提出期限を一日でも過ぎてしまうと届出の恩恵が受けられず大きな損害を被ります。必要な資料を確認したうえで、誤りのないようにしっかりと提出をしましょう。
◆ 新設法人の届出書類(一般的なもの)
必須
①法人設立届出書
②源泉所得税関係の届出書
③消費税関係の届出書
必要に応じて提出する書類
④青色申告の承認申請書
⑤棚卸資産の評価方法の届出書
⑥減価償却資産の償却方法の届出書
法人設立届出書など必ず出した方がよい会社設立時の書類や手続き
① 法人設立届出書
[提出期限]
→設立日以後2か月以内に提出の必要があります。
許認可申請など手続きをする際に、届出コピーを求められることがあります。た、法人名義での契約の際に届出書や登記簿謄本が必要になる場合もございます。控えをいただいて保管をしましょう。
[添付書類]
定款、寄付行為、規則又は規約の写し
② 青色申告の承認申請書
設立第1期目から青色申告の承認を受ける場合
[手続対象者]
青色申告による特典を受けたい際に提出する書類です。期限までに納税地の所轄税務署長へ青色申告の承認申請書を提出して承認を受ける必要があります。法人税法上で定められている帳簿書類を備付け、継続的に要件をクリアすることが必要です。
[青色申告特典]
青色申告の特典をうまく活用するためにも必ず提出すべき書類です。
[提出期限]
提出期限は設立日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までです。これを出さないと赤字の繰越などの青色申告の特典を受けることができません。またいつの事業年度から適用をうけたいのか、しっかりと記載しておくことも重要です。
◆ 青色申告の補足記事
給与支払事務所等の開設届出など提出を検討した方がよい書類
① 棚卸資産の評価方法の届出書
[棚卸資産の評価とは]
棚卸資産とは、仕入れを行って決算までにまだ売れていない資産といいます。決算がきたら、数を正確に数えて、単価をかけて金額を確定させます。この棚卸資産の金額を確定させる際に必要な棚卸資産の評価方法を選ぶ制度です。
例示
[評価方法]
棚卸資産の評価方法の届出をしなかった場合には、最終仕入原価法により算出した取得価額による原価法とされます。(法定評価方法といいます。)最終仕入原価法とは、棚卸資産を期末から最も近い時に取得した1単位当たりの取得価額をもって評価する方法です。
届出をして採用する評価方法の例示
原価法/低価法(個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法、売価還元法)
[提出期限]
→提出期限は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限までになります。
② 減価償却資産の償却方法の届出書
[減価償却資産とは]
業務用の建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産をいいます。時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
[償却方法とは]
減価償却資産は、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続でこの方法を選ぶことができます。こちらは国税庁さんHPより最新の情報をご確認ください。
[提出期限]
→提出期限は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限までになります。減価償却資産が多い工場などでは検討の余地がある制度です。
③ 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出
[どんな書類?]
給与等を支払う事務所等を開設した時に提出します。法人の場合は、経営者であるご自分に役員報酬(給与)が支払われるため、会社設立時はほとんどの方が「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要となります。
[提出期限]
→開設の日から1か月以内になります。
④ 源泉所得税納期の特例承認の申請
[どんな書類?]
毎月のお給与から差し引いた源泉所得税の納付を、毎月納付から半年に一度の納付にするための承認申請を行う書類です。源泉所得税は、原則、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
しかし、給与支給人員が常時9人以下の会社は、源泉税を半年まとめて納める特例があります。
これを、【 納期の特例 】といいます。源泉所得税の納期の特例を受けると、年12回の納付が2回で済みますので、事務負担が軽減でき、納付漏れリスクも低くなるメリットがあります
[提出期限]
→ 随時
申請書提出した月の翌月末まで通知なければ申請の翌々月の納付から特例が適用されます。
特例の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収した所得税と、税理士報酬などから源泉徴収をした所得税に限られています。この申請書を提出すると、給与の支給人員が常時10人未満であるような会社は、給与や退職手当、税理士等の報酬・料金について徴収をした所得税を次のように年2回にまとめて納付できる特例制度を受けることができます。
1月から6月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税・・・・7月10日
7月から12月までに支払った所得から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税・・・翌年1月20日
7月10日が土曜なら7月12日(月)が納期限です。
納期限を遅れるとペナルティがあります。
⑤消費税各種届出書
税務上の届出が多数ございます。選択によって税額が大きく変わるため顧問税理士さんとよく相談の上決定しましょう。こちらは国税庁さんHPより最新の情報をご確認ください。
会社設立後の届出の税務上の効果
税務上の届出書は一度提出すると、の効果が半永久的に残りますので、出では、将来の税務的なトラブルを避けるためコピーも必ず保存しましょう。(これが意外に忘れがちで注意です。)
自分の分のコピーを取り忘れてしまうと第三者に開業届出の提出を求められたり、税務上の取り扱いが不明確になってしまうなどトラブルにつながりますので注意しましょう。
匠税理士事務所の会社設立などの起業支援
匠税理士事務所では起業を成功に導くために会社設立や、会社設立後の税務署などへの官公庁の届出書作成の代行をはじめとして、起業後の経理や経営支援、給与計算や社会保険手続きなど人事労務のサポートに力を入れております。
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執筆者・文責:税理士 水野智史
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