棚卸資産の評価損(在庫の評価替え)と税務調査Z11
卸売業や小売業など物の販売に携わる方にとって
【棚卸】と【決算数字】は、綿密な関係があります。
棚卸資産価値が、購入時の価額より減少したため、
評価損を計上したい方もいらっしゃると思います。
しかし、法人税では原則、評価損は認めていません。
評価損計上は、税務調査で基本トラブルになります。
税務上で棚卸資産評価損(在庫の評価替え)が認められる場合
税務上評価損が認められるのは、
次のようなケースです。
1 棚卸資産が風水害など災害で著しく損傷
2 棚卸資産が著しく陳腐化したこと
◇◇陳腐化とは?◇◇
棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないが
経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく
減少し価額が今後回復しない状態。
具体例:
(1)いわゆる季節商品で売れ残ったものについて
今後通常の価額では販売することができないことが
既往の実績その他の事情に照らして明らかなこと。
(2)その商品と用途面が同様で型式・性能・品質が
著しく異なる新製品が発売されたことによって、
その商品が今後通常の方法により販売することが
できないようになったこと。
(3)会社更生法又は金融機関の更生手続の特例等に
関する法律の規定による更生手続における評定が
行評価替えの必要が生じたこと
(4) 1~3に準ずる特別の事実
評価損が認められるのは、上記ケースです。
棚卸資産の評価損(在庫の評価替え)が認められない場合
棚卸資産の時価が、単に物価変動、過剰生産、
建値の変更等の事情によって低下しただけでは、
評価損は認められません。また、税務調査では評価損については詳細に
その算定根拠などの内容も確認されますので
立証できるよう資料の保管も注意しましょう。
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執筆者・文責 税理士 水野智史
#棚卸資産評価損 #在庫評価替え