税務調査と売上等の収益の認識基準変更に関する注意点
売上などの収入の認識基準については、
【 税務調査 】で、よく争点となります。
収入の認識基準とは、【 いつのタイミング 】で、
売り上げに計上するかということです。
この売上の認識基準は、いつでも良いわけでなく
【 法人税法という税金の法律で定め 】があります。
今回はこの計上基準を取り上げます。(管理NoZ12)
税務上はいつ売上を収益として認識すべきか
【 商品の販売など棚卸資産の販売による収益の額は
引渡しがあった日の属する年の益金に算入する】
と税法では規定されております。
つまり会社は、原則、引き渡しの時点で、
売上として計上とする必要があります。
【 お金が入金された日ではありません。】
税務調査で最も厳しい検査事項は【 売上 】です。
つまり売上の認識ポイントは、
【 税務調査では争点となりやすい 】のです。
棚卸資産の引渡しの日が、いつであるかは、
出荷した日、相手方が検収した日、
相手方において使用できるようになった日、
検針等で販売数量を確認した日などがあります。
税金の法律では、その販売する棚卸資産の種類や
性質、販売の契約内容等によってその引渡し日で
合理的であると認められる日のうち、
【 法人が継続して 】収益計上を行うことする
日によるものとされています。
ここでポイントになるのは、
売上計上基準は、一度採用したら継続適用なのです。売上等の収益認識基準の変更は、税務調査でトラブルになるので要注意
実務では事業規模の拡大にともなって、
現在採用している売上の計上基準で、
対応できなくなることも起きてきます。
その際に売上など収益の計上基準の変更に
合理的な理由があることが重要になります。
仮に合理的な理由なしに変更をしてしまうと、
税務調査では利益調整のための変更であると
指摘を受け、変更が認められない事も起こります。
その場合には、修正申告になってしまい、
【 罰金 】が生じることもあります。
(関連記事:税務調査での修正申告、罰金はどんな種類があるの?)
このような税務調査で、トラブルにならないよう
初回の収益認識基準の選定は、慎重にしましょう。
また止むを得ず、売上計上基準を変更する場合は、
税務調査に備えしっかりと立証できる資料を
用意しておくことが重要です。
(関連記事:今すぐ、会社でできる、税務調査の準備・注意点とは? )
(棚卸資産の販売による収益の帰属の時期)
2-1-1棚卸資産販売による収益の額は、
その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。
(棚卸資産の引渡しの日の判定)
2-1-2 2-1-1の場合において、
棚卸資産引渡し日がいつであるかは、
例えば出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。この場合において、当該棚卸資産が土地又は土地の上に存する権利であり、その引渡しの日がいつであるかが明らかでないときは、次に掲げる日のうちいずれか早い日にその引渡しがあったものとすることができる。(昭55年直法2-8「六」により追加)
(1) 代金の相当部分(おおむね50%以上)を収受するに至った日
(2) 所有権移転登記の申請(その登記の申請に必要な書類の相手方への交付を含む。)をした日
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執筆者・文責 税理士 水野智史
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