個人事業主と株式会社など会社・法人の違いとは何か?
起業と黒字戦略の匠税理士事務所>法人化・法人成サービス>第22回 個人事業主と株式会社など会社・法人の違いとは何か?
匠税理士事務所の起業担当の税理士水野です。
2024年11月の内容で消費税インボイス改正もふまえ、【個人事業主】と【会社・法人】の違いをわかりやすくまとめてみました。
起業するにあたって、個人事業主で起業するのか、株式会社など会社・法人か迷う方も多いと思います。
それぞれのメリットやデメリットを理解した上で、個人事業主か会社・法人で起業か判断しましょう。
個人事業主と会社・法人の組織形態の違い
個人事業主とはわかりやすくいえば、その事業主自身です。
【個人事業主 = 社長】のイメージです。
一方、会社・法人とは、法律で作った別の人物、つまり、【 社長 ≠ 会社・法人 】となります。
この概念の違いが、経費の考え方で軸となります。
個人事業主 = 社長自身というわけで、自分が、自分に退職金は出せませんから、個人事業主では、退職金の節税は出来ません。
一方、会社・法人では、どうでしょうか?
【 社長 ≠ 会社・法人 】ですので、他人である会社から社長へ退職金が出せるので、会社・法人では、退職金の節税は可能です。
また、自分で、自分に給与は出せませんから、個人事業主では、給与の節税は出来ません。
一方、会社・法人では、どうでしょうか?
【 社長 ≠ 会社・法人 】ですので、他人である会社から社長へ給与が出せるので、
会社・法人では、給与を使った節税は可能です。
このように両者違う概念となりますので、会社・法人の方が個人事業主に比べて、
節税対策がしやすいという違いがあります。それでは個人事業主と会社・法人の違いを比較して、それぞれ見ていきましょう。
個人事業主・個人のメリットと会社法人の違い
個人事業主とは、株式会社などの会社を設立せず、個人で事業を行う形態です。
株式会社・合同会社など会社設立に必要である登録免許税や司法書士費用の約25万が発生せず、小さな資金で始められるビジネスモデルです。
【最大のメリット】は、手間が少なく自由な点です。
開業するときは、税務署に開業届を出せば済みます。
法務局で登記などは必要ありませんし、会計や経理の帳簿も、会社・法人と違い簡略なためある程度までは、自分で出来てしまいます。
また、会社・法人と違い通帳のお金を自由に動かせ
【自由】で【楽なところ】が特徴です。
ただ、年商・売上が、【2,000万】を超える頃に、税金も増えてきますので、株式会社や合同会社など会社に変更する法人化も検討すべきです。
会社・法人のメリットや個人事業主との違い
会社・法人とは株式会社・合同会社など会社設立し、役員として会社を運営する形態です。
会社設立にかかる手間や費用が発生しますが、事業拡大には、優れたビジネスモデルです。
上記で記載した【 社長 ≠ 会社・法人 】ですので、【 節税対策の幅が広い 】のが最大の特徴です。
また社長≠会社・法人ですので、組織が私物ではなく、株主のもの(みんなのもの)であるため、
銀行など金融機関の信頼を得やすいこともあり、資金調達で有利というメリットがあります。
求人でも株式会社や合同会社など会社・法人の方がこのように人材獲得に有利なのは明らかです。
一方で、【 社長≠会社・法人 】ですので、会社のお金を社長でも自由に使えないことや、決算税務申告の際に難易度が上がるため、税理士が必要になるデメリットもあります。
個人事業主・会社・法人メリットデメリット
●個人事業主
メリット...独立・開業のための手続きが簡単で、登記などの費用も必要ありませんし、
廃業するための手続きも比較的簡単です。
従業員さんが一定に達するまでは、社会保険には入らなくても良いなどのメリットがあります。
デメリット..個人事業主には、所得税という税金がかかります。
この所得税は、儲けが多いほど税金も上がる仕組み(累進課税といいます。)になっているので、
一定の規模になると税金の負担が強くなります。
また節税商品も少なく、税負担が多いデメリットがあります。
上記は個人事業主の税金である所得税の税率で、
下記は、会社の税金である法人税の税率です。
利益が多い程、会社有利という違いがあります。
●法人
メリット...銀行との関係、人材確保や取引先との口座開設など対外的メリットが大きいです。
節税など税金面で運用しやすく、赤字が10年間繰越できます。
デメリット...社会保険の強制で加入となります。特に厚生年金の負担が大きいです。
また、会社設立費用が生じ、廃業時には、
解散・清算など手続きが複雑になるといったことがあげられます。
個人事業主と会社・法人はどちらがおススメ
個人で起業か、法人として会社設立するかには、メリットデメリットで検討もしますが、匠税理士事務所では、将来のビジネスプランでどちらの組織形態で起業するかを選択されることをお勧めしております。
会社・法人で会社設立を提案する場合
従業員さんを雇用し事業を拡大したい方には、会社・法人を選択することをお勧めします。
社会保険の加入というデメリットも、人を採用するときにはメリットとなります。ご自身が決めた道で会社を大きくして稼ぎたい、こんな夢を叶えるには法人で起業をすすめます。
個人での起業をおすすめする場合
一方、自分の手が回る範囲で事業を運営する場合や、家族経営の経営規模を想定されている方には、手続きや費用面の負担も少なく、簡単な個人事業主が適してます。
個人事業主で始め、会社・法人にする法人化
法人化とは、個人事業主で事業を始めてから、その事業が軌道にのったら株式会社などへ社設立して法人にすることを言います。
法人化することで、個人事業主として最初2年を消費税免税を受けて節税を行って、
会社・法人にしてから更に2年消費税免税を受け
【最大4年消費税免税で節税】も可能です。
最初からインボイス登録をする場合には、
【2割特例】を活用した消費税節税も有効です。
一方でこの形式を採用した注意点としては、許認可申請などが必要な業種については、許認可を再取得の必要が出る場合もあります。
この形式を採用したい場合には、許認可申請が必要な業種は、注意が必要です。
個人事業主から法人化する最大の問題点は、お取引先や外注先全てに、法人にした後の入出金口座の変更の通知や、印鑑の作り直し、オフィスの賃貸契約などの契約変更など手間がかかる事が挙げられます。
こちらは自社のみでなく、取引先にも手間をかけてしまいますので、慎重に行わなくてはなりません。
また、個人から新規で会社を作る場合には、個人財産や債務引き継ぎなどの譲渡申告などで、時価の算定など特殊な論点や思わぬところで税金が生じることもあります。
これらを踏まえて、個人と法人のどちらで起業かを決めてから、事業をスタートすることが好ましいといえます。
個人と法人のどちらで起業するのかという最終的な判断のポイントは、
今後事業をどの位の規模まで、伸ばしていきたいかというところが重要です。
初年度から、【 年商2,000万円を超える 】場合、税務上でも節税対策の選択肢が多かったり、得意先との新規口座開設の際に有利、融資など資金調達も便利な将来を見据えると会社・法人を選択されるのが適切と考えます。
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執筆者・文責:税理士 水野智史
#個人事業主会社違い
#個人事業主法人違い
この個人事業主と株式会社など会社・法人の違いは何か?の記事は、
令和6年(2024年)11月時点の内容です。